しかし、あの人の人生ってなんて可哀相でちっぽけだったんだと思うことってのはある。そう考えてしまっているとき、自分の人生とはなんだったのかを省みてしまったり。不幸の中でも幸せそうにしている人とか、幸せの中で不幸に沈んでいる人を見ると、自分の幸せとはなんなのかって。


まあ、んなこといくら考えても、後ろを振り向けば灰の雨で石になるというし、前を見なきゃならんのだろうとは思うけど。ハデスに妻を生き返らせてもらうよう頼んだオルフェウスは「振り向くな」を守ることができなかったし、人なんてのは、振り向かないで生きていくことなんてどう頑張っても無理なものなんだろうね。


立ち止まり、振り返り、後悔し、それでもまだ進んでいくのが人間ってヤツなんだろうね。知らんけど。