二人の酒(自作のプロット)

なんかアクセスが増えてしまったようだ。まあ、どうでもいいか。3年前、大学1年のときにサークルで書いた脚本、ではないが、プロットみたいなものを載せる。結構自信作だが間は抜けているし、脚本にもしていない。今後これを完成させるつもりは無い。するとしても、きっとそれはちゃんとした人間になってからだろう。今これを完成させてはいけない。相当長い。


『二人の酒』

・会社が合併によって人材削減を図り、約28年間働き続けてきた会社をやめさせられた一児の父二村(50歳)は、偶然若い頃「一緒にすごい映画を作ろう」と同じ夢を見ていた前田(50歳)と街で出会う。二村は監督を目指し、前田は俳優を目指していたのは大学の頃。二人は高校からの友人で、とても仲が良かった。二村はいつしか夢は実現不可能だと悟り、無難に中小企業に就職した。だが、前田はその夢を捨てきれず、俳優の道を貫く。しかし前田は小さい劇団を転々とするも、成功をしないまま、今の今まで生きてきた。そんな前田も、数年前にようやく自分で作った小さな劇団がこのたびの不況の波に負け破綻し、もうこれ以上俳優業を続けられないと悟る。
・二村は結婚して、子供もいるが、その子が5歳のときに離婚。男手ひとつで育ててきた娘は、去年結婚した。娘の名前は美穂。だが最近娘の夫婦の仲が悪く、心配がある。
・前田は結婚してない。それにはわけがあり、大学時代、同じサークルにかわいい女の子がいた。その女の子の名前は浜川郁子という。彼女はかわいくて元気で、女優になりたいという夢を持っていた。前田は彼女に積極的にアプローチする。二村も影では彼女を好きだと思い続けていたため前田の気持ちをわかっていながらも応援はできない複雑な気持ちを持っていた。積極的な前田と付き合い始めた郁子は、ある日唐突に交通事故にあい両足を失う。身体障害者である郁子にやさしくする前田を、郁子は偽善だと罵る。俳優になるのに妻が足なしだったら話題になると考えるんじゃないか。どうせ自分の夢が大事で、やさしいのは今だけだろう。彼ら二人の仲が悪くなるのを見る二村。本当だったら二人を良く知る自分が二人の仲直りのため、もっと手助けをすれば良いと考えるも、彼らの口喧嘩を遠くで見ているだけで、止めようとはしなかった。郁子は大学に来なくなり、前田のやけ酒に付き合う二村。結局前田は郁子を引きずり、婚期を逃したのだった。
・久々にあった二村と前田は、お互いの暗い話題は話すことなく、楽しかった思い出を語り合い、その日は別れた。ちなみに20年前の同窓会以来である。
・次の日。二村、別れた妻と喫茶店で会う。娘のことを話す。しかし「結婚もして、一人前になった娘のことを自分たちがとやかく言うのはおかしいんじゃないの」と妻。「自分たちに、何もいう資格は無いじゃない。ほんとはもっと違う用があって来たんじゃないの。」会社をやめさせられたことを言う二村。妻はあっさりと言葉だけ驚く。やめさせられたことについて詳しく言う二村。「でも私にはそのことは関係ないわ」と妻。「私たち、別れたんですもの。娘のことは、私のほうから言っておくわ。ずっと一緒にいたあなたより、私のほうが効果あるかもしれないから。あとコーヒーのお勘定は私が払っておくから。」
・前田、次回の公演の準備をとりやめて片付けている。周りもみんな黙っている。そこに借金取りが来る。脅す。蹴られて倒れる前田、去る借金取り。若い頃は逆に追っ払ったりできたのにと悔しがる前田。
・夕暮れ。おんぼろアパートに帰ってきた前田は郵便ポストに高校の同窓会の誘いの手紙を見る。
・それほど大きくない普通ぐらいの小綺麗なマンションで二村も郵便ポストの中の高校の同窓会の誘いの手紙を見る。最後の一行に「飛び入りも可」と書いてある。
・次の日
・〈あとで書く〉
・同窓会の一週間前に二村と前田がまた同じ場所で飲み、そこで大喧嘩をする。夢を追わなかった二村への罵倒。夢を追い続けても叶うことのなかった前田への軽蔑。夢は追うべきか、追わざるべきか。この物語のテーマを二人が論争する。
・二村の娘の問題は結局彼女に子供ができていたことが発覚して解決する。
・今までの仕事を活かした仕事を二村は見つける。
・同窓会当日。二村は出席するが、前田は出席せず。前田はその日、派遣の仕事を夕方の5時に終え、家路についていたとき、すれ違った車椅子に乗った女性に後ろから声をかけられる。それは年をとってもいまだ美しい浜川郁子だった。郁子はあれから映画館で働き、そこで出会った人と結婚もして、子供もいるという。ただ前田に言ったひどいことを気にしていたと。夫はもう他界していて、2人の娘のうちの一人に世話をしてもらいながら元気にやっていると。街を久しぶりに二人で歩きながら話す。
・同窓会。小さな飲み屋。とうとうカツラを買ったんだとうれしそうに話すやつ。すごくかわいくてクラスのマドンナだったのに今じゃスーパーの安売りと晩御飯の話になると身を乗り出していく綺麗なおばさん。ホステスのママをやっているという女。天下のNHKに入ったんだぜと自慢するやつ、そいつに対して「おまえ何様?」というやつ。大金持ち。化粧と加齢臭の中、笑い声が響く。
・前田は?と二村は質問され、ちょっと黙って、いやわからんと言う。酔っ払った一人が「ちょっくら夕涼みしてくらー」という。「お前会費まだだろ、逃げんなよ」「逃げねえよ、俺を何だと思ってやがる」酔っ払ったやつが外に出ると、ちょうどそこに前田と浜川郁子が通りかかる。酔っ払いはうおーと言って前田の肩を強くたたき、無理やり前田を店の中に引きずりこむ。郁子も一緒に入る。
・わーと盛り上がる酒場。二村と前田の間に郁子が座る。「おめーこの美人の奥さんのほうが俺らより大事ってかぁー」。とクラスメイト。違う違うと前田は困りながらいう、それを見てクスクス笑う郁子。結婚してないことをいう前田。「だったら結婚すりゃいいじゃん、未亡人なんだろ?」とクラスメイト。「俺、借金もあるし」。「それぐらいの金だったら俺が出すよ」と大金持ち。「おまえによく昼飯おごってもらったからな」と。盛り上がる飲み屋。よかったなと二村が二人を祝福する。
・同窓会も終わり、二村、前田、郁子の三人で夜道を歩く。年をとったことを感じ、時間の流れを感じながら、三人は大学時代の頃のように、上を向いて歩いていく。