2009-07-27 いつかの秋に作った詩 天道虫をみなかった 古い友の眸子に写る輝きに 手繰り寄せられるようにして潜む蟷螂と 吾の足に絡みつく蔦の緑の美しさよ 不安に満ちて心落ち着かず 水音に喉を枯らす 秋に空を携えて オイディプスの声が左腕を浚うようだ 報復の愛情が睫毛を濡らし 乳白色に押しつぶされる おーいと呼ばれ 待ってくれと叫んだ 時間が哲学をしていたのはもう一年も前だった 浅い井戸に切符を投げた 都会は音が多いですね プライドとお金が必要ですか 白昼夢は喫茶店で溶けた角砂糖の嘆き 電信柱に憎しみを込めて眠れ