導線

導線を作る際に必要なのは身振り手振りである。「人が増えてきましたので、ここにこ〜〜いう風に並んでいただけますかぁ!」とぐるっと腕を回せば結構みんなそのように並んでくださるものだ。または小学校で列を作るときの一番前の人のように腕を挙げて、「ここにこう、まっすぐ列作ります!」と言っても問題ない。折り曲げる際は、「ここで折り返します!」とかいって、折り返しの先頭の人に直接「すみませんが、ここからこっち向きに並んでもらえますか?」と話しかけると良い。
列は放っておけばどんどん長くなるものだから、「二列で前の方に続いてお並びください!」も絶対言わなきゃならん。「今一歩前にお進みください!」といっても良い。これを言うのと言わないとのでは大違いだ。列によっちゃ10mぐらい違う。
初心者には難しいのが間を空けることだ。しかし道路などを挟む場合はどうしても間を空けなくてはならない。こういう場合、間の前と後ろに一人ずつ人が立つものだが、予算を削ったひどい現場は一人でやらされることもある。これは超難しい。たまたま列が動けるタイミングで間に車が通ろうとしたら、列の前に立って、「車通ります!」「少々お待ちください!」といって、待たせなければならない。列は「前から随分スペース空いてんじゃん、もう行こうぜ」みたいに勝手に動き出そうとすることもあるから、横に立つのではなく、列を通せんぼするように立たなければ意味がない。車が通り過ぎたら人数を数えながら進ませる。その際、「ゆっくりお歩きください!」という。列が動いているときに車が来たら、車が止まってくださるだろう、ここで大事なのは列が過ぎ去ったあと、「止まってくださってありがとうございました」という気持ちを持って運転手に礼をし、通っていいよという身振りをすることである。
導線はセンスが必要だ。どういう列を作るか最初から決めておかなければ絶対に混乱するし、それの意志伝達もしっかりしなければならない。曲げる回数を増やすのか、3列で並ばせるか、車椅子の道をふさいでしまわないか、いろいろと考えることがあるのだ。
導線を極めるには結局のところ数をこなすしかない。最初は適当などうでもいい位置に配置されるだろうが、そのときからしっかり考え、もっと大変な位置をやっている人の動きを見ること。そうしていれば難しいポジションをやらされても問題は無いのだ。ちなみに私はまだまだ修行不足だから、このようなことを書くのは本当は適していないんだけどね。