泣きながら言った

靖国神社に参拝するなら他の神社もすべて参拝するべきだろう。命に優越なんて無いし、戦争で死んだ人も、事故で死んだ人も同じだ。それに戦争に行って人を殺してきた人たちなんて手を合わせる価値は無いよ」


「なんてことを言うんだ!戦争に行った人たちは行きたくて行ったわけじゃない。家族や国のために仕方なく行ったんだ。自分が死ぬかもしれないのに行きたくて行くわけが無いだろう。そんな戦争に行った人たちを侮辱するようなことは言ってはいけない!」


「しかし彼らはハッキリ言って馬鹿だ。戦争を止められなかった張本人だ。戦争に行ったのは自分の意思じゃないかもしれないが、結局は戦争に行って人を殺してきたんだ。彼らのことは嫌いだ。生理的に嫌いだ」


「馬鹿とはなんだ!嫌いとかそういう理由で戦争に行った人たちに対してそんなことを言うのか。戦わなければ植民地にされていたかもしれないんだぞ。それでも良いっていうのか。もしも飲み屋なんかでそんなこと言ってみろ。おまえ殺されるぞ」


「植民地にならずに戦争を回避する方法はあった。石橋湛山は立派だった。経済を理解していた。彼はアメリカやイギリスと貿易をしようと考えた。しかし湛山は病気になって首相をやめることになってしまった。そして軍部が世間をあおり、新聞があおり、日本国中が戦争を後押しした。もしも国民ひとりひとりが自ら考えることができるぐらい教養があり、知識があれば国を変えることは国民全体でやればできただろう。今、日本が税金を上げようとしているが、まだ上がっていないのは国民が反対しているからだ。そういう意味で、昔の人たちは馬鹿だったと言ったんだ」


いつまで俺たちは中国や韓国に敗戦国と罵られなければならないんだ。俺は戦争をしていない。戦争をしたいとも思っていない。それなのになぜ俺は、戦争の過ちを負わなければならないんだ。いつまで世間はあの戦争を教えて、俺たちに辛い思いをさせるのだ。俺はいつになればあの戦争から自由になれるんだ。昔の日本は情けないよ。恥ずかしいよ。戦死者は俺のもっとも愚かしい部分を作った奴らだよ。だから俺は奴らが嫌いなんだよ。手を合わせる価値なんて一切無いんだよ。松下幸之助や本田総一郎みたいな、戦後日本を復興させた人たちをもっと崇めたい。戦争に行って死んだ奴らは結局国を作れなかった。国をぶち壊しただけだ。辱めただけだ。いつまでその辱めを俺が受けなければならない。現在が未来の原因であるのと同じように、過去は現在の原因だ。今の日本は罵られている。それが正当であるか不当であるかは別として、悪口を言われる。それが辛いんだ。なんで俺が・・・。もう靖国なんていらないよ。あいつらとは縁を切りたい。あの戦争とは縁を切って、他国で行われている殺戮を止めるために俺は何ができるかを模索していきたいんだ。そうすることで戦争の教訓を学んだことになり、平和への道に進むことになるのではないだろうか。