ジェンダーについて

グループワークのことと、現在の、そして未来の自分にできることは何かについて。



  グループワークは行政のサポートによるM字曲線の改善がテーマだった。初日は次回までに何を調べるかなどを話し合った。次に会ったときにはそれぞれが持ち寄った改善策を大まかに分けて入れることになり、この際できるだけ意見を省くことをせず、すべてを入れるための手段を講じたことが印象深い。具体的には4つの改革に分けた。意識改革、育児休暇制度、保育施設の充実それと在宅就業だ。私はこの中の在宅就業を担当した。なかなかまとまらなかったが、とにかく資料を集めて読んだ。インターネット上にある政府の発表している多くのデータに目を通すのはかなり手間がかかったが、新たな発見も多かった。あと、私の発表は実は大変おかしいところがあった。私はM字曲線の改善のために在宅就業率の増加を主張したが、実は日本の在宅就業率は高い。アメリカの22%ほどではないが、就業者の10.4%がテレワーカーというデータがある。スペインとフランスの3%と比べたらずいぶん高い。正直それに関してはなぜかわからない。ただ、「これから在宅就業をしたい」という女性の声が多かったので、とりあえずそれを結論に持ってくることにした。そういう声が多いということはいくら現在の在宅就業率がある程度あったとしても、在宅就業の需要に応えられていないということだと思ったからだ。あと行政としてということで、法律の改正で何かができないかを考えた。キャリアロスこそが現在の在宅就業の欠点だと思っていたので、今現在、在宅就業と同じ勤務内容なのに在宅就業ができない人々を無くすための法改正を提案した。具体的に在宅でできる仕事を示し、それに当てはまる仕事は社員が在宅で勤務する権利を有す。というやつだ。現実的かどうかはともかく、これぐらいのことをしないと子育てと仕事を両立することが難しい社会情勢なのかもしれない。

  就業を希望する人が継続することができる社会を作るために今の自分、つまり学生ができることは限られていると思うが、やはり意識の持ちようが一番だろう。そしてこれが、就業を継続できない人にとってもっとも大きな壁だと思う。日本が特に女性にとって継続して就業が難しい社会なのは、やはり各人の長所を客観的に見ておらず、「男はこう、女はこうあるべき」という固定概念があるからだ。つまり男は仕事を優先し、子育ては女がやるものだという意識だ。こういった意識は薄くなってはきているが、まだ依然として存在している。私たち一人一人が意識して変えていかなければならない。学生なのだからやはり性分は学業、ジェンダーについてより深く勉強し、理解を深めることが第一だと思う。

  将来の自分にできることはいくつかある。私生活の面で、もし結婚できれば、妻の仕事に寛容になり、家事を分担、最低でも手助けをして、継続して就業を望むならそれを叶えられるように努力すべきだ。これは単に今回の課題の目的を達成するためだけでなく、夫婦円満にもつながると思う。そして仕事は、どういったものに就けるかわからないが、あまり子育て支援をしてくれない企業であれば社員の一人として意見書などを提出し、自分の家庭を大事にするよう動くべきだろう。会社によってはそう簡単にいかないかもしれないが、意見をいう権利があるならばそれを行使すべきだ。あとはできるだけ残業をしないよう昼間からマジメに仕事をすべきだろう。同僚や近所付き合いでの情報共有もひとつの草の根運動だ。内閣府の行っている女性支援は調べてみると意外にしっかりしたものがあるが、なんといってもその知名度の無さが伺える。マザーズハローワークは平成18年にできたばかりで、あまり普及しているような話を聞いたことが無い。私の調べた在宅就業もその一つで、「どうすれば在宅就業ができるのか」がわからない人が多い。だからこそ地道な情報共有が生きると私は思う。女性を支援する企業に対し国が行っている支援も融資や貸付、表彰などがあり、そういった制度の利点を広める努力も必要だ。私自身ができれば将来情報を扱った仕事に就きたいと思うから余計こういった情報格差が気にかかる。

  あと将来、管理職になれたならば、利益優先ではなく、社員優先主義で社会に貢献していくべきだろう。社員のやる気を上げることは、結果的にお客様や社会にとって一番良いサービスの提供にも繋がるからだ。単に社員をやめさせないことを考えるのではなく、社員一人一人に多様な選択肢を与えることがこれからの企業には求められる。その選択肢こそがワークライフバランスだと思う。幸せのあり方というものが少しずつではあるが、明確になってきていることは日本にとって良いと思う。