毒物事件

僕はプロの言うことはどうにも信じてしまう口なので、状況証拠が千何百もあるといわれるとああそうなのかと思ってしまうが、母はどうもそうではなかったようで、死刑判決に対しなにやらもやもやとした感覚を持っていたように見えた。そのもやもやってなんなんだろうと思う。母と同世代の某先生はもやもやとは表現していなかったが、冤罪だったのだろうという思いがあるようだ。この共通点はなんだろう。わからない。


私がこの事件の犯人を極刑(今の日本では死刑だが)にすべきだと思う理由は一応ある。昔、農薬を混入した飲み物を自動販売機の取り出し口においてそれを飲んだ人が死亡する事件が連続して起こった。1985年のパラコート連続毒殺事件だ。これは事件の発生場所がバラバラで、模倣犯の犯罪だと言われているが、犯人はいまだわかっていない。手口からみて無差別殺人であり、去年の秋葉原連続殺傷事件と同じで気が狂った人の行った犯行だろう。
僕は、カレー毒物混入もこれに近いものなのではないかと思う。だから動機が「なんとなく」であったとしても納得できるし、理由なんて無かったとしても納得できてしまう。そしてそれを許せないと感じる。もし殺すつもりが無かったなんて言ったとしても、僕は信じられない。このパラコート事件を知ってる世代はみんな農薬で人が死ぬことは知っていたはずだと、なんとなく思う。
僕自身はパラコート事件はWikiでしか知らないが、全国ニュースになったんじゃないだろうか。85年は御巣鷹山だけしか報道されなかった、というわけでもあるまい。