夢2

私は8年も時間を過ぎてしまっていたようである。さまざまな曖昧な意識があったが、それは記憶に残っていなかった。気がついたときは電車に乗って自宅に帰ろうとしていたが、自宅の場所がわからないことを発見したときだ。そのとき唐突に「私は牢屋にいたんだ」ということがわかる。そして自宅付近をさまよっていると兄がいて、8年ぶりだという旨知らされる。8年私は牢屋にいたことがわかる。牢屋というよりも洗脳を行う場所だったように思う。そこへ戻ろうとまた電車に乗るが、今度はその場所がわからない。そうだ、自分はあそこから逃げてきたんだ。電車の中で少しずつ自分の状況を理解する。しかし闇雲に逃げてきたから戻ろうと思っても、場所がわからないんだった。何をすればいいのかわからなくなったところで、8年という年月が重みを増す。俺はもう29歳なのか。20代の記憶が一切無いのか。それがとても悲しくて悲しくて、もしかしたらこれは夢なのではないかという発想をする。これは夢だ夢だと念じると目が覚める。